2015年07月01日

羽田空港跡地整備のゆくえ

大田区民と羽田空港の間には、戦後GHQ(連合国軍)により接収されて、空港敷地内に居住していた約3千人の住民が48時間以内の強制立退き命令により、着の身着のまま退去させられた悲しい歴史があります。
その後の騒音被害を受けて、空港が沖合に展開することとなりまして、遊休地(羽田空港の沖合展開に伴う「跡地」)が発生しています。

跡地は、過去の歴史を踏まえて大田区が取得するべきとの地元の民意がありました。跡地のうち、第1ゾーンは大田区が、第2ゾーンは東京都が、 第3ゾーンは空港関連施設として国が整備することとなりました。また、跡地は国有地であるので譲り受けるための公共的な利用目的を大田区は検討してきました。

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大田区作成「羽田空港跡地第1ゾーン整備方針(素案)」より


今年6月に発表された「羽田空港跡地第1ゾーン整備方針(素案)」では、
企業誘致・交流のほかは、クールジャパン発信拠点とする方針が示されています。

産業交流施設一辺倒だった過去の方針に比較して、大田区らしさがなくなってしまっていると見受けられます。
大田区の製造業の付加価値を伸ばしていくのかが見えなくなってきたなかで、
大田区は空港跡地整備について積極的に関与することで、分不相応な資金負担を負うことになると危惧します。

具体的な事業コストを検討するために、大田区が過去に実施したフィージビリティの結果をみてみます。
平成23年3月の「羽田空港跡地利用に関する調査〜「国際都市おおた」に寄与する第1ゾーンの検討」によります。


A案【コンベンションホール中心】
施設整備費 117億円

建築面積 19,800m2
延床面積 27,000m2
コンベンションホール 12,000m2
産業支援施設 1,300m2

B案【コンベンションホール・会議室】
施設整備費 207億円

建築面積 21,500m2
延床面積 47,000m2
コンベンションホール 15,000m2
産業支援施設 2,500m2

C案【コンベンションホール・会議室・ホテル】
施設整備費 263億円

建築面積 31,500m2
延床面積 62,300m2
コンベンションホール 15,000m2
産業支援施設 2,500m2
客室数 440室


共通【基盤整備費】
総額 87億円

天空橋駅前広場整備 12億円、上下水道整備 40億円 などの
インフラ整備コスト



平成23年3月時点で
204億円〜350億円の総事業費を見込んでいます。

大田区の松原忠義区長は、2020年までのまちづくりの概成を目指すと息巻いています。
オリンピック・パラリンピックに向けて工事単価が高止まりする中での事業実施となるので、
さらに、事業費は増大するでしょう。

区民・地元産業へのメリットが見えない中で、
巨額の資金負担を大田区がすることは賛成できません。



posted by 岡高志(大田区議会議員) at 10:00| Comment(0) | まちづくり・交通・環境・防災・防犯 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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