2015年10月20日

視察:ローザンヌ工科大学 Ecole Polytechnique Federale de Lausanne, EPFL

2013年から大田区と産業連携を行っているスイスのヴォー州は、
高い付加価値をめざす産学連携の取り組みを推進しています。

その要、ローザンヌ工科大学 Ecole Polytechnique Federale de Lausanne, EPFL を視察しました。

Senior Industrial Liaison Officerの Rouelleさんからお話を伺いました。

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もちろん、フランス語から日本語への通訳さんがいてくれます。

ローザンヌ工科大学は、チューリッヒとともに2つしかないスイス連邦立の工科大学で、世界の大学ランキングでも上位につける大学です。
大学のキャンパス内に様々な産学連携施設があります。別に視察した Y-PARCと提携するheig-vdは応用科学分野、ローザンヌ工科大学は基礎科学分野とすみわけがなされているとのことです。

ローザンヌ工科大学は、2015年ベースで生徒数1万人、2,000人以上の博士号取得者がおります。

わが大田区にも多くのキャンパスが所在する東京工業大学の学生数も1万人程度であるが、博士号取得者数は1,300人程度(常勤教員とDC以外の研究員を合計しました。)。
もちろん、東京工業大学はわが国最高水準の工科大学ではありますが、ローザンヌ工科大学の国際ランキングの高さの所以が感じられます。
http://www.titech.ac.jp/about/disclosure/pdf/2014_6_researcher.pdf

ローザンヌ工科大学には、5学科 13専攻、そして、2つの付属カレッジ(人間工学と金融工学)があります。

学生全体の50%は海外、博士号の60%は海外から集まっています。日本からは数人程度しか在籍していないとのことです。学費は年間13万円程度と高くありませんから、是非、留学してみましょう。
と申し上げたいところですが、スイスの物価はとても高いのでご注意ください。

ローザンヌ工科大学の年間予算は、896百万CHF (約110億円)。うち、251百万CHF (28%)は民間からの寄付だそうです。


大学の講義のオンライン配信プログラムである MOOCs (Massive Open Online Course) は、50プログラムが提供されていて、全世界で100万人の受講生がいるそうです。フランス語圏も多いアフリカでの受講も多いそうです。

ちなみに、われらが東京工業大学では、今年秋からMOOCsをスタートするそうです。
http://www.titech.ac.jp/event/2015/029937.html

東京大学では、2013年9月から、日本で初めてMOOCsをスタートしており、英語による講義として、カブリ数物連携宇宙研究機構 機構長・特任教授 村山斉による「ビッグバンからダークエネルギーまで(From the Big Bang to Dark Energy)」と、政策ビジョン研究センター安全保障研究ユニット長・大学院法学政治学研究科 教授 藤原帰一による「戦争と平和の条件(Conditions of War and Peace)」を配信し、世界150以上の国と地域から8万人以上が登録し、約5400人が修了したそうです。

http://www.u-tokyo.ac.jp/ext01/mooc_j.html

自宅にいながら世界最高の教育が受けられる時代になったのですね。

ローザンヌ工科大学では、1986年から企業連携を推進しています。
1991年には、サイエンスパークをオープンして、2010年にはイノベーションパークへと発展を遂げています。
1998年には、技術トランスファーセンターをオープンして、特許の関係に対応しています。
開発した特許はイノベーションパークで承認して特許手続を代行します。

イノベーションパークでは、150社 1,900人が働いています。
日本からは日東電工が進出していて、15人の社員を雇用しています。

他には、インテルが"Start up"を買収してそのまま事業を行っています。
プジョーシトロエンは、自動運転システムの研究をしています。
ヴォー州に本社を置く世界企業 logitech もローザンヌ工科大学での"Start up"から始まってる。

"Start up" は毎年10社前後ですが、昨年2014年は24社と好調であると誇らしげに語っておられました。
(2010年 15社、2011年 16社、2012年 13社、2013年 12社)
"Start up"への資金調達 Fundraising もサポートしています。
昨年2014年は、180百万CHF (約110億円)。
内訳は、Anokion 33百万CHF、 Sophia Genetics 12百万CHF、 Aimago 10百万CHF など


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さて、産学連携施設の象徴は
ロレックスラーニングセンター Rolex Learning Center
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スイスの名門企業ロレックスなどから寄付を受けて、その名を冠した産学連携施設です。
金沢21世紀美術館などを設計したことで知られる日本のSANNA事務所の妹島和世氏、西沢立衛氏が設計されたもので、2010年にプリッツア賞にも輝いています。

新しくデジタルカルチャーラボも建築中であって、こちらも日本の隈研吾氏が設計されています。
日本の設計技術の高さを誇らしく思います。
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デジタルカルチャーラボでは、ヴォー州で開催されるモントレージャズフェスティバルなど、音楽、アート、技術の融合を研究・展示するそうです。

科学は難しいものだけでなく、文化を活性させるものでもありますね。

大田区もものづくり一辺倒ではなく、文化・芸術への取組みも推進されるべきであると感じた私にとって初めてのスイス訪問でした。

posted by 岡高志(大田区議会議員) at 17:59| Comment(0) | 産業・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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