2017年01月16日

大田区の中小企業への投融資の改革

大田区議会議員 岡 高志です。
2017年の年頭に議員としての活動を振り返ります。

大田区の中小企業への投融資について

私は、議員になる前は12年間、銀行や投資会社に勤務して企業の財務分析や事業再生に関わってきました。
大田区議会議員としてはそうした経歴を持つのは私ひとりですので、中小企業への投融資にもっとも明るいとの自負を持って取り組んでいます。


◎ 損失保証付融資制度の廃止に向けて

2013年10月地域産業委員会。
大田区中小企業融資基金条例では、信用保証協会付き融資に利子補給をしていますが、 信用保証協会の保証が得られなかった企業に対して、 区が直接保証をする損失補償付融資制度がありました。
私から所管課に資料提示をお願いしまして、大田区の損失保証付融資の実績及び区債権残額の推移をだしていただきました。 
おおむね10%強の債務不履行があるこの融資制度に意義はあるのか。
直近では、平成21年度がピークで 101件の申し込みがあったが、昨年24年度は13件の申込(実行は5件)。

一方で、損失補償付ではなく保証協会付で区は利子補給だけをする制度融資は、おおむね 2,500件 250億円の利用実績。
保証協会の審査に落ちたほんの一部をサポートする制度融資が必要なのかと問題提起しました。


2014年1月地域産業委員会。
私が委員会で問題提起していた区の損失保証付融資制度の廃止が示されました。
保証協会の審査に落ちたほんの一部をサポートする制度融資が産業振興の視点において、必要とは思いません。

2014年3月地域産業委員会。
損失保証付融資制度を廃止するための条例改正が提起され可決されました。
ごく一部の損失保証付融資制度のために、大田区産業振興のリソースを使用するのではなく、 新たな成長産業支援に振り向けられるべきであると要望した上で、 本件条例改正に賛成しました。


もちろん、制度廃止だけでなくって、新しい事業への支援も提案しております。

2014年4月地域産業委員会。
4月から大田区の中小企業融資の新制度「チャレンジ企業応援資金」がスタート。
区が全額利子を補助します。つまり、無利子融資。

2016年3月議会質問では、
【Q】中小企業融資基金 55億円(融資のための保証金のような名目で区内金融機関に分散預託している基金ですが、マイナス金利のいま金融機関は預金が欲しいわけではないのです。)は、
引き出して他の事業に活用するべきだと思います。
ベンチャーファンド組成など創業支援に回すことも検討してください。いかがでしょう? 
【A】今後、検討していきます。

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posted by 岡高志(民進党) at 13:16| Comment(0) | 産業・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月31日

視察: 東京工業大学デザイン工房 〜 戦略的イノベーション創造プログラムの拠点

大田区をイノベーションのまちにしようと、かねてから創業支援施設の視察調査を重ねています。(下記ブログご参照)

この日は、自宅のある大田区石川町に所在する東京工業大学のデザイン工房を視察させていただきました。
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デザイン工房では、FabLabにとどまらず、ExpLab、CoLab、BizLab機能もあって、製品開発、人材育成を推進されています。
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デザイン工房は、大学のイノベーション支援施設です。
東工大は日本有数の工業系大学として、機械系にしても様々な専攻に分かれます。そうした専攻の垣根を超えて新しい製品を創造していこうとする動きのひとつとして、【SIP】戦略的イノベーション創造プログラムを推進しています。大田区産業振興協会や区内企業もビジネス現場の立場で連携しています。

東工大から生まれてくる大学発ベンチャーを自治体・大田区が支援することも地域の活性化に意義があります。
大田スプリングバレー構想を推進していきます。
大田区内の製造企業もどこまで連携していけるのか楽しみです。

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(写真にはありませんが、)
同じ建物に本格的な工作機械が多数稼働していました。理系大学の装備に驚きました。

お忙しいところ、ご案内いただいた東京工業大学の先生方、職員の皆さま、ありがとうございました。



posted by 岡高志(民進党) at 22:35| Comment(0) | 産業・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月08日

賞品はなんと!蒲田切子!!

大田区・川崎KAN食キャンペーンのスタンプラリーの賞品が

なんと

蒲田切子

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有限会社フォレスト作成。

自分ではなかなか買えないお高いものなので、うれしいです。

スポーツ・観光推進特別委員会 1月, 2016年でご紹介しましたように、
大田区・川崎KAN食キャンペーンは、大田区・川崎の飲食店20店が参加するスタンプラリー。

1〜3店舗で、
3,000円相当の特産品が25名

4〜9店舗で、
5,000円相当の特産品が25名

10〜20店舗で、
10,000円の商品券!10名!

ホントはなんとか10店舗をめぐりたかったのですが、いい感じのレストランを1/22〜3/8の短期間に数多くまわることはできず、5店舗に終わりました。
どこも、美味しくて居心地のいいお店ばかりだったことは、嬉しい発見です。



蒲田切子とは?

カットグラスのことを切子とよびます。
江戸ではじまった切子を江戸切子とよびまして、日本の伝統工芸品のひとつです。
蒲田切子もその中のひとつに位置づけられます。

いいものだけに、手土産にはお高いし、結婚式の引き出物にもハードルが高いかもしれませんが、
何かの機会に大田区の特産品として贈りたい逸品です。


posted by 岡高志(民進党) at 18:43| Comment(0) | 産業・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月27日

イギリスにおけるイノベーションと日本の地域自治体

大田区はスイス ヴォ―州と産業連携を締結しています。
そんな関係で、私も区議会の一員として、スイス ヴォ―州を訪問して産業視察を行いました。
外国を訪問して見聞を深めるのは貴重な経験となりました。

スイスで進むイノベーションが大田区に東京に日本に深まっていくように取り組んでいきます。

おおざっぱでありますが、イノベーションをめぐるイギリスの取り組みをまとめます。
誤解もあると思います。
あたたかいコメントをお願いいたしますm(_ _)m

近年、スイスはイノベーションを支援する国として注目されるところ。同様に、イギリスやスウェーデンもイノベーション大国です。

ドイツでは、インダストリー4.0というキーワードが提唱されていますが、
対応するイギリスの言葉は、
High Value Manufacturing

ケンブリッジ・フェノメノン
1970年代から、ケンブリッジを中心にベンチャーのクラスタがイギリスにはあります。
人、商業化機能、ネットワーク、大企業の研究拠点です。

大学の補助金が減るので、産学連携の必要性が求められ、かつ、大企業もリーマンショックなどで傷んでるので、ベンチャーへの期待が集まります。

イーストロンドンにある tech city
2008年から、シリコン・ラウンドアバウトとして位置づけられ、
2010年11月に キャメロン首相が、tech cityと名付けまして、ヨーロッパトップのデジタルクラスタとなっています。
中央政府とロンドン市のサポート。大企業誘致、Googleキャンパス。オリンピックのメディアセンターをインキュベーションセンターにしています。


カタパルトセンターCatapult Center
が各地にあります。

日本との関係をあげると、
今年12月1日、神奈川県がセルセラピー・カタパルトCell Therapy Catapultと再生・細胞医療分野の産業化に向けた今後の連携と協働に関するMOU(覚書)を締結しました。

<神奈川県・セルセラピー・カタパルト間のMOU(覚書)の概要>
【目的】
再生・細胞医療の実用化・産業化の促進に協力して取組み、日英両地域の再生・細胞医療産業分野において、企業及び学術機関等が活発に事業を展開できるよう、両機関の協働を推進し、日英両地域の発展を目指す。
【協働合意内容】
・再生・細胞医療及び関連分野における共同研究及び実用化・産業化支援に関する連携
・産業化の拠点である英国セルセラピー・カタパルト製造センター及び神奈川県ライフイノベーションセンターの間における連携

※セルセラピー・カタパルトについて
セル・セラピー・カタパルトは、科学研究とフルスケールの商業化との間の橋渡しをすることで、英国の細胞・遺伝子治療産業を前進させるための独立した卓越拠点として2012年に創設されました。
細胞・遺伝子治療技術に集中する100人以上の従業員を擁する当組織は、学界と産業界の提携先と協働し、生活を一変させるこれらの治療製品が世界各国の医療サービスで使用されるよう、確実に開発できるようにします。
当組織は、最先端の能力・技術・革新成果を提供することで、各企業が製品を臨床試験に取り入れることができるようにするとともに、臨床・プロセス開発・製造・規制関連・医療経済・市場アクセスに関する専門知識を提供します。当組織は、英国内外の提携先がこれらの治療製品を開発・商業化する上で、英国を最も魅力的で合理的な選択肢に位置付けてもらうことを目標としています。再生医療は、英国の科学力とビジネス能力を支えるために英国政府が設定した8大技術の1つです。
www.ct.catapult.org.ukより


本当におおざっぱに、イノベーションをめぐるイギリスの取り組みをまとめた次第です。
そうした記憶の断片をつなぎ合わせつつ、
大田スプリングバレー構想へ議論を深めてまいります。
posted by 岡高志(民進党) at 18:39| Comment(0) | 産業・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月05日

工場アパートをめぐり、心臓外科医になりきるなど

先週に引き続いて、おおたオープンファクトリー
今年から、矢口・下丸子地区に加えて、羽田・大森エリアの工場アパートもオープンファクトリーに参加しています。

京急蒲田駅前 産業プラザPiO出発の無料シャトルバスは満席で乗れませんでしたが、
なんとか、テクノWINGにたどり着きまして、
工場アパートツアーがスタートです。


テクノWING2000年オープンの工場アパート。産業と生活が共存するまちづくりを進める住工調和環境整備事業として建設されました。

大森鋼鉄株式会社さんの工事を見学しました。重い鋼鉄を軽々とクレーンで運んで、加工する現場です。普段見られない現場を見ることができる貴重な経験でした。
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テクノCORE2012年オープン 精密加工、機械金属系研究開発企業など高度な技術を持つ中堅企業が入居しています。
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天井から自然光が降り注ぎます。
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株式会社ジーベックテクノロジーセラミックファイバーでバリ取りツールを開発する企業。
社内はオシャレな空間です。
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テクノFRONT森ヶ崎2008年オープン 加工型企業と研究開発型企業が連携して新分野進出への促進を図り、工場集積の維持発展を目指します。

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有限会社ポン菓子機販売 ポン菓子作りの実演を見学しました。社長さんの楽しいトークに耳を傾けながら、ポン菓子が出来上がるのを待ちました。
せっかくなので、動画をシェアしました。

EBM Corporation 医療用機械の製造・販売の新しい会社です。
冠動脈バイパス手術訓練装置YOUCAN(ヨウカン)・BEATの体験プログラムに参加させていただきました。
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けっこう難しいです。心臓外科医にはなれません。お医者さんに敬意を表する次第です。

社長の朴栄光さんは、大田区観光大使としても活動されていた若手経営者。私より6歳も若く、将来も楽しみな方です。
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2週にわたり大田区のものづくり現場を見て学べる有意義な機会となりました。
関係者のみなさま、ありがとうございました!







posted by 岡高志(民進党) at 20:56| Comment(0) | 産業・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月28日

第5回 おおたオープンファクトリー

大田区の町工場を探検できる
おおたオープンファクトリーに行ってまいりました。

ワークショップやラリーなどのプログラムもありますが、27もの町工場がオープンになってまして、それぞれ丁寧に説明していただけます。
自動ドアの千蔵工業さんで ネジまき体験をしたり、
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多摩川鈑金工業所さんで ロボットと握手したり。

町工場の日常という非日常体験ができました。
昼すぎに行ったもんだから、3社しか回れませんでしたが、一日中いても楽しいイベントです。

最後は、大田区矢口三丁目の新名所。
桂川精螺製作所前で記念写真(^_^)
(ドラマ下町ロケットの佃製作所 本社です。)
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来週 12/5 は、羽田エリアの工場アパートがオープンしてます!





posted by 岡高志(民進党) at 17:37| Comment(0) | 産業・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月20日

視察:ローザンヌ工科大学 Ecole Polytechnique Federale de Lausanne, EPFL

2013年から大田区と産業連携を行っているスイスのヴォー州は、
高い付加価値をめざす産学連携の取り組みを推進しています。

その要、ローザンヌ工科大学 Ecole Polytechnique Federale de Lausanne, EPFL を視察しました。

Senior Industrial Liaison Officerの Rouelleさんからお話を伺いました。

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もちろん、フランス語から日本語への通訳さんがいてくれます。

ローザンヌ工科大学は、チューリッヒとともに2つしかないスイス連邦立の工科大学で、世界の大学ランキングでも上位につける大学です。
大学のキャンパス内に様々な産学連携施設があります。別に視察した Y-PARCと提携するheig-vdは応用科学分野、ローザンヌ工科大学は基礎科学分野とすみわけがなされているとのことです。

ローザンヌ工科大学は、2015年ベースで生徒数1万人、2,000人以上の博士号取得者がおります。

わが大田区にも多くのキャンパスが所在する東京工業大学の学生数も1万人程度であるが、博士号取得者数は1,300人程度(常勤教員とDC以外の研究員を合計しました。)。
もちろん、東京工業大学はわが国最高水準の工科大学ではありますが、ローザンヌ工科大学の国際ランキングの高さの所以が感じられます。
http://www.titech.ac.jp/about/disclosure/pdf/2014_6_researcher.pdf

ローザンヌ工科大学には、5学科 13専攻、そして、2つの付属カレッジ(人間工学と金融工学)があります。

学生全体の50%は海外、博士号の60%は海外から集まっています。日本からは数人程度しか在籍していないとのことです。学費は年間13万円程度と高くありませんから、是非、留学してみましょう。
と申し上げたいところですが、スイスの物価はとても高いのでご注意ください。

ローザンヌ工科大学の年間予算は、896百万CHF (約110億円)。うち、251百万CHF (28%)は民間からの寄付だそうです。


大学の講義のオンライン配信プログラムである MOOCs (Massive Open Online Course) は、50プログラムが提供されていて、全世界で100万人の受講生がいるそうです。フランス語圏も多いアフリカでの受講も多いそうです。

ちなみに、われらが東京工業大学では、今年秋からMOOCsをスタートするそうです。
http://www.titech.ac.jp/event/2015/029937.html

東京大学では、2013年9月から、日本で初めてMOOCsをスタートしており、英語による講義として、カブリ数物連携宇宙研究機構 機構長・特任教授 村山斉による「ビッグバンからダークエネルギーまで(From the Big Bang to Dark Energy)」と、政策ビジョン研究センター安全保障研究ユニット長・大学院法学政治学研究科 教授 藤原帰一による「戦争と平和の条件(Conditions of War and Peace)」を配信し、世界150以上の国と地域から8万人以上が登録し、約5400人が修了したそうです。

http://www.u-tokyo.ac.jp/ext01/mooc_j.html

自宅にいながら世界最高の教育が受けられる時代になったのですね。

ローザンヌ工科大学では、1986年から企業連携を推進しています。
1991年には、サイエンスパークをオープンして、2010年にはイノベーションパークへと発展を遂げています。
1998年には、技術トランスファーセンターをオープンして、特許の関係に対応しています。
開発した特許はイノベーションパークで承認して特許手続を代行します。

イノベーションパークでは、150社 1,900人が働いています。
日本からは日東電工が進出していて、15人の社員を雇用しています。

他には、インテルが"Start up"を買収してそのまま事業を行っています。
プジョーシトロエンは、自動運転システムの研究をしています。
ヴォー州に本社を置く世界企業 logitech もローザンヌ工科大学での"Start up"から始まってる。

"Start up" は毎年10社前後ですが、昨年2014年は24社と好調であると誇らしげに語っておられました。
(2010年 15社、2011年 16社、2012年 13社、2013年 12社)
"Start up"への資金調達 Fundraising もサポートしています。
昨年2014年は、180百万CHF (約110億円)。
内訳は、Anokion 33百万CHF、 Sophia Genetics 12百万CHF、 Aimago 10百万CHF など


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さて、産学連携施設の象徴は
ロレックスラーニングセンター Rolex Learning Center
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スイスの名門企業ロレックスなどから寄付を受けて、その名を冠した産学連携施設です。
金沢21世紀美術館などを設計したことで知られる日本のSANNA事務所の妹島和世氏、西沢立衛氏が設計されたもので、2010年にプリッツア賞にも輝いています。

新しくデジタルカルチャーラボも建築中であって、こちらも日本の隈研吾氏が設計されています。
日本の設計技術の高さを誇らしく思います。
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デジタルカルチャーラボでは、ヴォー州で開催されるモントレージャズフェスティバルなど、音楽、アート、技術の融合を研究・展示するそうです。

科学は難しいものだけでなく、文化を活性させるものでもありますね。

大田区もものづくり一辺倒ではなく、文化・芸術への取組みも推進されるべきであると感じた私にとって初めてのスイス訪問でした。

posted by 岡高志(民進党) at 17:59| Comment(0) | 産業・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月01日

視察 群馬県 富岡製糸場と観光政策

8/31,9/1の日程で、スポーツ・観光推進特別委員会の視察で群馬県を訪問しました。

初日は、群馬県庁にて、群馬県の観光政策全般を伺いました。

群馬県では、昨年、富岡製糸場と絹産業遺産群が世界遺産に認定されています。

平成15年から、群馬県として富岡製糸場を世界遺産へ登録するプロジェクトは始まっていまして、世界遺産登録決定に合わせて、群馬よいとこ観光振興条例が議員提出条例として施行されています(平成26年4月1日)。

来年度以降から、群馬県として総合的な観光振興計画を策定するそうです。


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現時点では、世界遺産である富岡製糸場に来た観光客を県内の温泉地や、おとなり栃木県の日光などと周遊してもらうことに力を入れています。

世界遺産登録は製糸場単独ではなく、関連施設3件も含まれますが、周遊が推奨されてるわけではなく、関連施設を同日で訪問する人は製糸場を訪問する人の8%程度ではないか。との話が印象に残りました。


群馬県は関東地方にあって、大消費地である東京からの誘客が強みです。


群馬よいとこ観光振興条例は施行されましたが、具体的に県から自治体・団体への予算措置は千客万来支援事業くらいであって、条例制定前と比較して、ほとんど変わらないそうです。

ただ、国の地方創生関連で群馬プレミアム宿泊券が予算15億円ついてるのは大きい。
プレミアムが100%で、つまり、半額で宿泊できます。

国の補助金制度に左右される地方の実態を感じた次第です。


2日目は、富岡製糸場の見学です。

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富岡製糸場は、昭和62年まで稼働していましたが、国内での生糸産業が立ち行かなくなり閉鎖していました。
それでも、平成17年に富岡市に譲渡されるまで、当時の片倉工業は工場を保存されていたのがスゴイところです。

平成26年に世界遺産登録されて、従前の年間来場者数が、20〜30万人だったのが、100万人増加して、130万人に。
観光客を見込んで、多くのお土産物屋さんが近隣に出店しています。
古い商店街も残っていますが、今後、客足が細ってしまうことを心配されていました。

富岡製糸場を管理・運営する富岡市は、
富岡製糸場の見学ルートの整備・拡充にも取り組んでいます。

入場料売上は、年間5億円。
場内の売店売上は、年間3億円で3%程度が富岡市のマージンとなります。

一般会計規模200億円の自治体にとって、入場料売上5億円は大きいものではあるが、富岡製糸場という世界遺産の保全コストも大きなものでしょう。

世界遺産の観光資源としてのコストパフォーマンスを評価することは難しいでしょう。

行政による観光推進を観光業というビジネスベースだけで、とらえるのではなく、魅力あるまちづくりの側面を意識するべきでしょう。

観光資源というよりも、地域のブランド資源であって、わが町に世界遺産があるというシビックプライドでしょう。

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(いただいた区役所の封筒から)

もちろん、世界遺産レベルにもなると、より強いプライドになるし、国から一定の補助金も確保できます。

ところで、富岡市庁舎は年季の入った建物でして、これから建て替える計画です。設計者は隈研吾さんということで、どんな建物になるのか、これも興味深いです。

大田区の町工場もたんなる産業ブランドを超えて、大田区民のシビックプライドを満たす資源になる要素があってもいいでしょう。

町工場を地域のブランド資源にするための一つの取組が、産業観光の推進でもあると思います。





posted by 岡高志(民進党) at 14:07| Comment(0) | 産業・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする